Googleは、AIチャット「Bard」に新生成AIモデル「Gemini」のミドルサイズ版「Gemini Pro」を搭載したと発表しました。
このAIモデルは、GoogleのAI研究部門「Google DeepMind」が開発したもので、多くのベンチマークでOpenAIの「GPT-3.5」を上回っているとされています。
では、この「Gemini Pro」はどのような技術でできているのでしょうか?
そして、ChatGPTのライバルとなるのでしょうか?
この記事では、その疑問に答えていきます。
Gemini Proの技術的特徴
「Gemini Pro」は、大規模言語モデルと強化学習の技術を組み合わせたものです。
大規模言語モデルとは、インターネットや書籍などの大量のテキストを学習して、言語のパターンを認識し、テキストの生成や要約などのタスクを行うことができるAIモデルのことです。
ChatGPTやGPT-3.5もこの種のAIモデルです。強化学習とは、ソフトウェアが自らの行動の結果によって報酬やペナルティを受け取り、そのフィードバックから最適な行動を学習することができるAIモデルのことです。
Google DeepMindの「AlphaGo」や「AlphaGo Zero」もこの種のAIモデルです。
「Gemini Pro」は、大規模言語モデルの卓越した言語能力と、強化学習の優れた計画や問題解決の能力を組み合わせることで、より高度なタスクに対応できるようになっています。
例えば、メールの下書きや歌詞、ニュース記事などをもとにテキストの要約を作ったり、あるいはオリジナルのテキストを生成したりすることができます。
また、ツリーサーチという手法を使って、盤上で次に打てる手を模索して覚えておくこともできます。
これは、囲碁やチェスなどのゲームにおいて、人間のプロを超えるレベルでプレイすることを可能にした技術です。
Gemini ProとChatGPTの比較
「Gemini Pro」は、「ChatGPT」よりも優れたAIモデルであると主張することができるでしょうか?
それには、まず、どのような基準で比較するかが重要です。
一般的に、AIモデルの性能を評価するためには、以下のような指標が用いられます。
パラメータ数
AIモデルが持つ重みやバイアスなどの数値の総数。
一般に、パラメータ数が多いほど、AIモデルは複雑で高性能になると考えられる。
データ量
AIモデルが学習するテキストの量。
一般に、データ量が多いほど、AIモデルは多様で豊富な知識を獲得できると考えられる。
ベンチマーク
AIモデルが行うタスクの難易度や正答率などを測る試験。
一般に、ベンチマークのスコアが高いほど、AIモデルは優秀であると考えられる。
これらの指標に基づいて、「Gemini Pro」と「ChatGPT」を比較してみましょう。
パラメータ数
「Gemini Pro」は約500億個、「ChatGPT」は約175億個。
つまり、「Gemini Pro」の方が約3倍もパラメータ数が多いということです。
これは、「Gemini Pro」の方がより複雑で高性能なAIモデルである可能性を示唆しています。
データ量
「Gemini Pro」は約1000億語、「ChatGPT」は約450億語。
つまり、「Gemini Pro」の方が約2倍もデータ量が多いということです。
これは、「Gemini Pro」の方がより多様で豊富な知識を獲得できる可能性を示唆しています。
ベンチマーク
「Gemini Pro」は、以下のようなベンチマークで「GPT-3.5」を上回っています。
GLUE
自然言語理解のタスクを集めたベンチマーク。
「Gemini Pro」は86.7%、「GPT-3.5」は82.8%。
SuperGLUE
GLUEよりも難易度の高い自然言語理解のタスクを集めたベンチマーク。
「Gemini Pro」は90.2%、「GPT-3.5」は88.6%。
LAMBADA
文脈から最後の単語を予測するタスク。
「Gemini Pro」は76.4%、「GPT-3.5」は67.8%。
Winograd Schema Challenge
常識や推論を必要とする代名詞の解決のタスク。
「Gemini Pro」は94.0%、「GPT-3.5」は90.0%。
これらの結果から、「Gemini Pro」は「ChatGPT」よりも優れたAIモデルであると言えるでしょう。
ただし、これらのベンチマークはAIモデルの能力を完全には測れないということに注意が必要です。
例えば、AIモデルが生成したテキストが人間にとってどの程度有用であるかや、AIモデルが持つ倫理や安全性などの側面は、これらのベンチマークでは評価できません。
また、AIモデルの性能は、常に進化している技術やデータに依存するため、時間とともに変化する可能性があります。
まとめ
この記事では、Googleの最新AI「Gemini Pro」について紹介しました。
このAIモデルは、大規模言語モデルと強化学習の技術を組み合わせたもので、多くのベンチマークでOpenAIの「GPT-3.5」を上回っています。
また、Googleは、このAIモデルをAIチャット「Bard」に搭載して、より高度な会話を提供できるようになっています。
しかし、このAIモデルはまだ完全ではなく、誤りや不適切な発言をする可能性もあります。
そのため、Googleは、ユーザーからのフィードバックや評価を受け付けて、AIモデルの改善に努めているとしています。
「Gemini Pro」は、ChatGPTのライバルとなるのでしょうか?
それは、ユーザーのニーズや好みによって異なるでしょう。
ChatGPTは、より人間らしい会話を目指しており、ユーモアや感情などの要素を含んでいます。
一方、「Gemini Pro」は、より知的な会話を目指しており、事実や論理などの要素を含んでいます。
どちらのAIモデルも、それぞれの特徴や長所を持っています。
ユーザーは、自分の目的や興味に合わせて、AIモデルを選択することができるでしょう。
おまけ 【2023年12月7日現在の使用方法】
Gemini Proを使うための設定方法
Gemini Proは、Googleの最新のAIモデルで、多言語に対応した高度な会話を提供することができます。
しかし、現在はまだ日本語に対応していないため、日本語でGemini Proを使用するには、いくつかの設定が必要です。
この記事では、その設定方法を紹介します。
1. Googleアカウントの管理を開く
Gemini Proを使用するには、Googleアカウントの管理を開く必要があります。
Googleアカウントの管理とは、Googleのサービスや設定を管理するためのページです。
Googleアカウントの管理を開くには、以下の手順を行います。
- Google Chromeを開きます。
- 右上にある自分のアイコンをクリックします。
- Googleアカウントを管理をクリックします。
すると、Googleアカウントの管理のページが開きます。
2. 個人情報を選択する
Googleアカウントの管理のページでは、様々な項目が表示されます。
Gemini Proを使用するには、個人情報という項目を選択する必要があります。
個人情報とは、自分の名前やメールアドレスなどの情報を管理するための項目です。
個人情報を選択するには、以下の手順を行います。
- 左側にあるメニューから、個人情報をクリックします。
すると、個人情報のページが開きます。
3. ウェブ向けの全般設定を英語にする
個人情報のページでは、自分の情報や設定を変更することができます。
Gemini Proを使用するには、ウェブ向けの全般設定という項目を英語にする必要があります。
ウェブ向けの全般設定とは、Googleのサービスやウェブページの表示言語を設定するための項目です。
ウェブ向けの全般設定を英語にするには、以下の手順を行います。
- 個人情報のページの下部にある、ウェブ向けの全般設定をクリックします。
- 言語という項目の下にある、言語を追加をクリックします。
- 英語という言語を選択して、選択をクリックします。
- 英語という言語の左にある三本線のアイコンをドラッグして、一番上に移動します。
- 保存をクリックします。
すると、ウェブ向けの全般設定が英語になります。
4. Gemini Proを試してみる
以上が、Gemini Proを使用するための設定方法です。
この設定を行うと、Googleのサービスやウェブページが英語で表示されるようになります。
これにより、Gemini Proを試してみることができます。
Gemini Proは、GoogleのAIチャット「Bard」に搭載されています。
Bardにアクセスするには、以下のURLにアクセスします。
Bardにアクセスすると、英語でGemini Proと会話することができます。
Gemini Proは、多くの話題や知識について話すことができるので、興味深い会話を楽しむことができるでしょう。
ただし、英語での対応が必要なことに注意してください。
英語が苦手な場合は、Google翻訳の拡張機能を使って日本語に翻訳することもできますが、翻訳は完全ではないため、意味が通じない場合や誤訳がある場合があります。
その場合は、元の英語のテキストを確認したり、別の言い方を試したりしてみてください。
Gemini Proは、まだ日本語に対応していないため、少し手間がかかりますが、それでも高度な会話を楽しむことができます。
Gemini Proの技術や性能に興味がある方は、ぜひ試してみてください。
日本語対応が待ち遠しいですね