1. はじめに:2025年の電気・ガス料金がまた値上げ!
2025年、電気料金とガス料金のさらなる値上げが確実視されています。
近年のエネルギー価格の上昇や円安、そして発電コストの増大などが影響し、一般家庭の光熱費がますます高騰する見込みです。
家計への影響は深刻
家庭の電気代・ガス代が上がると、毎月の生活費の負担が増え、特に冬場や夏場の冷暖房使用時には大きな影響を受けます。
たとえば、2024年時点で月1万円だった電気代が、2025年には1.2万円、1.3万円とじわじわ上昇する可能性もあります。
また、電気・ガス料金の上昇は企業にも影響を及ぼし、商品価格の値上げやサービス料金の上昇にもつながります。
電気代・ガス代の上昇が、間接的に生活費全体を押し上げる要因になっているのです。
この記事で分かること
本記事では、2025年の電気・ガス料金の値上げについて、以下のポイントを詳しく解説します。
✅ なぜ電気・ガス料金が上がるのか?(背景・原因)
✅ 具体的にどのくらい値上がりするのか?(電力会社・ガス会社別)
✅ 光熱費を節約するにはどうすればいいのか?(実践的な対策)
電気・ガス料金の値上げは避けられませんが、しっかりと情報を把握し、適切な対策をとることで家計の負担を軽減できます。
最後まで読んで、すぐにできる対策を実践してみてください!
2. 電気・ガス料金の値上げの背景
では、なぜ2025年に電気・ガス料金が値上げされるのでしょうか?
主な理由は以下の4つです。
① エネルギー価格の高騰(原油・LNG・石炭価格の上昇)
日本の電力とガスの多くは、海外からの輸入エネルギーに依存しています。
特に、火力発電で使われる液化天然ガス(LNG)や石炭、原油の価格が世界的に高騰していることが、電気・ガス料金の値上げの大きな要因になっています。
たとえば、以下のような状況が影響しています。
- ロシア・ウクライナ情勢の影響 → ロシア産天然ガスの供給が不安定に
- 中東の地政学リスク → 原油価格の高騰
- 再生可能エネルギーの拡大による化石燃料価格の変動
世界的なエネルギー市場の変化は、日本の光熱費に直結するため、今後も注視する必要があります。
② 円安の影響(輸入コストの増加)
2024年から続く円安の影響も、電気・ガス料金の上昇に大きく関係しています。
電力会社やガス会社は、海外から燃料を輸入していますが、円安が進むと同じ量の燃料を購入するのに、より多くの円が必要になります。
例えば、1ドル=110円のときに100ドルで購入できた燃料が、1ドル=150円になると同じ燃料を買うのに1.5倍のコストがかかることになります。
この輸入コストの増加が、電気・ガス料金の値上げに直結しています。
③ 発電コストの上昇(再生可能エネルギーの拡大、設備維持費)
近年、日本では再生可能エネルギーの導入が進んでいます。
太陽光発電や風力発電が増えること自体は良いことですが、一方で再エネ導入に伴うコスト負担が増えています。
具体的には、以下のようなコストがかかっています。
- 再エネ賦課金の増加 → 電気料金の一部として利用者が負担
- 送電網の改修費 → 再エネ電力を安定供給するための設備投資
- 老朽化した発電所の維持費 → 既存の火力・原子力発電所の維持コスト
再生可能エネルギーの普及が進むことで、長期的には電気料金の安定が期待されていますが、短期的にはコスト負担が増加しているのが現状です。
④ 電力・ガス業界の制度変更(規制緩和や新ルールの影響)
2025年には、電力・ガス業界の制度にも変更が予想されています。
たとえば、電力の「容量市場」制度や、燃料費調整制度の見直しなどが検討されています。
- 容量市場とは?
→ 将来の電力供給を安定させるために、発電設備を確保する仕組み。
電力会社が負担するコストが増える可能性あり。 - 燃料費調整制度の見直し
→ 燃料費の変動を電気料金に反映するルールが変更され、消費者の負担が増加する可能性あり。
このように、制度変更によっても電気・ガス料金が上昇する可能性があるのです。
3. 具体的な値上げの詳細(2025年版)
ここからは、2025年に実際にどのくらい電気・ガス料金が上がるのか、具体的な値上げ幅を見ていきます。
① 電力会社ごとの値上げ幅(2025年版)
日本の電気料金は、電力会社ごとに異なりますが、2025年は全国的に値上げが予定されています。
以下、主要な電力会社の値上げ見込みをまとめました。
電力会社 | 2024年平均電気料金(30A・300kWh) | 2025年予想値上げ率 | 2025年予想料金 |
---|---|---|---|
東京電力 | 約9,000円 | +10% | 約9,900円 |
関西電力 | 約8,500円 | +8% | 約9,180円 |
中部電力 | 約8,700円 | +9% | 約9,480円 |
北海道電力 | 約10,000円 | +12% | 約11,200円 |
九州電力 | 約7,800円 | +7% | 約8,346円 |
※上記の料金はあくまで予想であり、燃料費や政府の方針によって変動する可能性があります。
② 都市ガス・プロパンガスの値上げ状況
電気料金だけでなく、ガス料金も値上げの傾向にあります。
特に都市ガスとプロパンガスでは、以下のような値上げが予想されています。
都市ガス(東京ガス・大阪ガスなど)
都市ガスの料金は、LNG(液化天然ガス)の価格に大きく影響を受けます。
2025年は円安やLNGの高騰により、都市ガス料金も上昇する見込みです。
ガス会社 | 2024年平均ガス料金(30㎥) | 2025年予想値上げ率 | 2025年予想料金 |
---|---|---|---|
東京ガス | 約5,500円 | +8% | 約5,940円 |
大阪ガス | 約5,300円 | +7% | 約5,671円 |
東邦ガス | 約5,400円 | +7.5% | 約5,805円 |
西部ガス | 約5,200円 | +6.5% | 約5,538円 |
プロパンガス(LPガス)の値上げ状況
プロパンガス(LPガス)は、都市ガスよりも価格変動が激しく、輸入コストの影響を強く受けます。
そのため、2025年は10%〜15%程度の値上げが予想されています。
エリア | 2024年平均LPガス料金(30㎥) | 2025年予想値上げ率 | 2025年予想料金 |
---|---|---|---|
関東 | 約7,500円 | +12% | 約8,400円 |
関西 | 約7,200円 | +10% | 約7,920円 |
東北 | 約7,800円 | +15% | 約8,970円 |
九州 | 約7,300円 | +11% | 約8,103円 |
都市ガスと比べてプロパンガスのほうが値上げ幅が大きい傾向にあります。
③ 政府の補助制度はどうなる?
2024年には政府が電気・ガス料金の補助を実施していましたが、2025年の補助制度については未定の部分が多く、補助が縮小される可能性が高いです。
- 2024年の補助
- 電気料金の一部を政府が負担(1kWhあたり7円の補助)
- ガス料金の一部負担(1㎥あたり30円の補助)
- 2025年の補助(予想)
- 補助額の縮小または廃止の可能性(財政負担の問題)
- 特定の低所得世帯向けの支援策のみ継続?
政府の補助がなくなると、家計負担がさらに増すため、自力での節約対策が必要になってきます。
4. 家計を守るための対策
電気・ガス料金の値上げは避けられませんが、家計負担を少しでも減らすための方法を紹介します。
① 電気・ガス料金を抑える節約術
契約プランの見直し
多くの家庭では、長年同じ電気・ガスプランを使い続けているため、より安いプランに変更するだけで年間数千円〜1万円以上の節約が可能です。
✅ 電気料金の見直しポイント
- オール電化向けプラン(深夜電力を安く利用できる)
- 時間帯別プラン(昼間の電気使用量が少ない家庭向け)
- 新電力会社への切り替え(電気の自由化でより安いプランが選べる)
✅ ガス料金の見直しポイント
- セット割を活用(電気とガスを同じ会社で契約すると割引)
- ガス会社の変更(プロパンガス)(適正価格で提供する会社を探す)
省エネ家電の活用
古い家電を最新の省エネ家電に買い替えることで、大幅な節電が可能になります。
家電 | 旧モデル(10年以上前) | 最新モデル(省エネ) | 年間節約額(目安) |
---|---|---|---|
エアコン | 年間約20,000円 | 年間約12,000円 | 約8,000円 |
冷蔵庫 | 年間約15,000円 | 年間約9,000円 | 約6,000円 |
LED照明 | 年間約5,000円 | 年間約2,000円 | 約3,000円 |
家電の買い替え時には、省エネ性能の高いものを選ぶことで、長期的な節約につながります。
② 新しい電力・ガス会社の選び方
日本では、2016年の「電力自由化」と2017年の「ガス自由化」により、消費者が自由に電力会社やガス会社を選べるようになりました。
これをうまく活用すれば、電気・ガス料金を安く抑えることができます。
電力会社の切り替え
新電力会社(電力自由化によって参入した企業)では、大手電力会社よりも安い料金プランを提供している場合が多いです。
✅ 新電力のメリット
- 基本料金が無料または割引される
- 使用量に応じた割引プランがある
- 再生可能エネルギーを活用したプランも選べる
✅ 新電力のデメリット
- 事業撤退のリスクがある(経営不安定な企業も)
- 地域によって選べる会社が限られる
ガス会社の切り替え
都市ガスでも自由化が進み、ガス会社を乗り換えることでコストを削減できます。
特に、電気とセットで契約することで割引が適用されるケースが多いため、電気とガスをまとめて契約するのがおすすめです。
✅ ガス自由化のメリット
- セット割で年間数千円〜1万円程度の節約が可能
- プランによっては基本料金が安くなる
✅ ガス自由化のデメリット
- 地域によって選択肢が少ない
- 料金体系が複雑で比較が難しい
おすすめの切り替え方法
- 比較サイトを利用する(エネチェンジ・価格.com など)
- 契約中の電力・ガス会社と新プランを比較
- 契約変更の際に違約金が発生しないか確認
切り替え自体は簡単で、オンラインで申し込みができ、工事も不要な場合がほとんどです。
③ 太陽光発電・蓄電池の活用
電気料金を大幅に削減する方法として、太陽光発電や蓄電池の導入があります。
初期費用はかかりますが、長期的に見ると大幅な節約につながります。
太陽光発電のメリット
✅ 電気代の削減(発電した電気を自家消費できる)
✅ 余剰電力の売電(発電した電力を電力会社に売ることができる)
✅ 停電時の備え(災害時にも電気を確保できる)
蓄電池のメリット
✅ 夜間や雨の日でも電気を使える(昼間に発電した電気を貯めて使う)
✅ 電気代の節約(深夜の安い電力を貯めて昼間に利用することも可能)
太陽光発電+蓄電池のセット導入により、電力会社からの電気使用量を50%〜80%削減できるケースもあります。
導入コストと回収期間
設備 | 初期費用(目安) | 年間節約額(目安) | 回収期間 |
---|---|---|---|
太陽光発電(5kW) | 約120万円 | 約8万円 | 約15年 |
蓄電池(10kWh) | 約100万円 | 約6万円 | 約17年 |
政府や自治体の補助金を活用すると、導入コストを抑えることが可能です。
✅ 最新の補助制度をチェック!
- 国の補助金制度(ZEH補助金など)
- 自治体の補助金制度(都道府県ごとに異なる)
このように、電気料金の値上げ対策として、発電設備を導入するのも有効な選択肢となります。
5. まとめ:今後の電気・ガス料金の見通しと対策の重要性
2025年の電気・ガス料金は、以下の理由により値上げが避けられない状況です。
✅ 燃料価格の高騰(原油・LNG・石炭の価格上昇)
✅ 円安の影響(輸入コストの増加)
✅ 発電コストの上昇(再エネ普及、老朽化設備の維持費)
✅ 電力・ガス業界の制度変更(容量市場、燃料費調整制度の見直し)
しかし、適切な対策を講じることで、家計の負担を軽減できます。
今すぐできる対策まとめ
🔹 契約プランの見直し(電力・ガス会社を比較して安いプランに変更)
🔹 省エネ家電への買い替え(エアコン・冷蔵庫・LED照明で電気代削減)
🔹 電気・ガスのセット契約(割引プランを活用してコスト削減)
🔹 太陽光発電・蓄電池の導入(長期的な電気代の節約&売電収入)
今後もエネルギー価格の変動や政府の方針によって電気・ガス料金は変化しますが、情報をしっかりとチェックし、柔軟に対応することが重要です。
6. おわりに
2025年の電気・ガス料金の値上げは、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。
しかし、適切な対策を講じることで、負担を軽減することは十分可能です。
この記事で紹介した方法を活用しながら、少しでも光熱費を抑え、家計を守るための準備を始めましょう。
また、政府の補助制度や最新の料金情報については、定期的にチェックすることをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました!