「Windows Updateのあと、SSDが急に見えない…」
そんな時はあわてず、安全で失敗しにくい順番で対処すれば大抵は直せます。
本記事は初心者の方でも迷わないように、最短の手順→症状別の切り分け→根本対策→予防策までをわかりやすく解説します。
原因の傾向(2025年最新情報)
特定アップデートによる不具合: 2025年8月時点で、Windows 11 バージョン 24H2 の更新プログラム KB5063878により一部SSDが認識されなくなる不具合が報告されています。
該当する場合は、この更新プログラムをアンインストールすることで解決する可能性があります。
ドライバーの入れ替わり: Windows標準NVMeドライバー/IRST(Intel)/AMD RAIDドライバーなどが更新で置き換わる。
SSDの相性問題: 一部のPhison製SSDやNVMeで発生する問題が報告されています。
特に、高速書き込みやキャッシュ処理が原因で不具合が起きる場合があるため、メーカーのファームウェア更新を確認してください。
SATAモードやブート関連設定の影響: AHCI↔RAID、CSM/Secure Bootの切替で見え方が変わる。
高速スタートアップや省電力機能: 休止系のキャッシュでデバイス初期化が不完全に。
M.2スロットのレーン共有: 特定スロット使用時にSATAポートが無効になる仕様がある。
最短で直す3ステップ(安全優先)
電源リセット(高速スタートアップ無効)
完全シャットダウン
スタート → 電源 → Shiftを押しながら「シャットダウン」
もしくは(管理者権限のPowerShell/コマンド)shutdown /s /f /t 0
再起動後、認識されるか確認。
「ディスクの管理」で表示・文字割り当て
右クリック「スタート」→ ディスクの管理
表示されているのにドライブ文字がない → 右クリック「ドライブ文字とパスの変更」で割り当て。
「オフライン」表示 → 右クリック「オンライン」。
※「未割り当て」に初期化/新規ボリュームはデータ保存が不要な空のSSDだけで。
ストレージ/チップセットドライバーの入れ直し
右クリック「スタート」→ デバイス マネージャー
「ディスク ドライブ」「記憶域コントローラー」を開き、対象SSDやコントローラーを右クリック
→ デバイスのアンインストール(ドライバー削除にチェックできる場合はチェック)→ 再起動
Windowsが自動で再検出します。必要に応じてPC/マザーボード/ノートPCメーカーの公式ドライバーを適用。
症状別のかんたん切り分け(フローチャート)
BIOS/UEFI画面にSSDが出ない
→ 物理接続/スロット/電源/相性の可能性大。
SATAならケーブル/ポート変更、NVMeならM.2の差し直し+固定ネジ・スペーサ確認。別PCでの確認も有効。
BIOSでは見えるが、Windowsだけ見えない
→ ドライバー/電源設定/更新プログラムの影響が濃厚。
上の「最短3ステップ」に加え、更新のアンインストールや電源ポリシーを確認。
「ディスクの管理」では見えるがエクスプローラーに出ない
→ 多くはドライブ文字未割り当て/オフライン/ファイルシステム不整合。
まず文字割り当てとオンライン化、必要に応じてエラーチェック。
原因の傾向(2025時点でよくあるパターン)
- ドライバーの入れ替わり:Windows標準NVMeドライバー/IRST(Intel)/AMD RAIDドライバーなどが更新で置き換わる。
- SATAモードやブート関連設定の影響:AHCI↔RAID、CSM/Secure Bootの切替で見え方が変わる。
- 高速スタートアップや省電力機能:休止系のキャッシュでデバイス初期化が不完全に。
- ドライブ文字の競合/署名重複:外付けや複数ドライブで起こりやすい。
- SSDファームウェアの古さ:NVMe世代差・省電力(ASPM)・PCIeリンク設定との相性。
- M.2スロットのレーン共有:特定スロット使用時にSATAポートが無効になる仕様がある。
- BitLocker/デバイス暗号化:ロック状態/回復キー要求で実体が見えないように見える。
基本対策(初心者でも安心の順番で)
1. 電源関連の見直し
- 完全シャットダウン(前述)を実行。
- 高速スタートアップを無効化
コントロール パネル → ハードウェアとサウンド → 電源オプション → 電源ボタンの動作を選択 → 現在利用可能ではない設定を変更 → 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す → 保存。 - ノートPCはAC抜き+長押し放電(15~30秒)も有効。
2. ディスクの管理での確認
- 状態をチェック
- 「オンライン/正常」:ドライブ文字未割り当てなら文字割り当て。
- 「オフライン」:右クリックオンライン。
- 「未割り当て」:空のSSDなら右クリック→新しいシンプル ボリューム(データが必要なら操作しない)。
- エラーチェック:ドライブ右クリック→プロパティ → ツール → エラーチェック。
3. デバイス マネージャーで再検出
- 「ディスク ドライブ」「記憶域コントローラー」で該当デバイスをアンインストール → 再起動。
- メーカー公式のストレージ/チップセットドライバーを適用(Intel/AMD/各PCベンダー)。
4. Windows更新の見直し
- 追加の更新を適用して修正パッチが来ていないか確認。
- 不具合が確実なら 「更新プログラムのアンインストール」 で直前の更新を戻す。
設定 → Windows Update → 更新の履歴 → 更新プログラムをアンインストール。
5. システム整備(壊れたファイルの修復)
管理者でPowerShell/コマンドを開き、順に実行
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
完了後、再起動。
6. BIOS/UEFI設定の確認(安全に見るだけ→必要なら変更)
- SATAモード:基本はAHCI。RAIDにしている場合は、OS側準備なしの切替は起動不能リスク。
- Secure Boot / CSM:無効↔有効で挙動が変わることあり。変更は最小限に。
- M.2/PCIeレーン共有:マニュアルで、使用スロットにより無効になるSATAポートが無いか確認。
- 変更前に設定を控えること。
7. 物理チェック
- SATAケーブル差し直し/交換、電源ケーブル確認。
- M.2 SSDはまっすぐ挿し直し、スペーサ位置・ネジ固定・ヒートシンク干渉や熱にも注意。
- 別スロット/別PCで再現確認できると切り分けが早い。
8. SSDユーティリティとファームウェア
- Samsung Magician / Crucial Storage Executive / WD Dashboard / Kingston SSD Manager 等で
- ファームウェア更新
- S.M.A.R.T.ヘルス/温度確認
を実施。更新後は再起動。
9. 電源ポリシー(省電力機能の影響を減らす)
- 電源オプション → プラン設定の変更 → 詳細な電源設定
- PCI Express → リンク状態の電源管理:オフ
- ハードディスクの電源を切る:長め/オフ に調整して変化を見る。
10. BitLocker/デバイス暗号化
- 設定 → プライバシーとセキュリティ → デバイスの暗号化/BitLocker を確認。
- ロックが疑わしい時は回復キーで解除。MSアカウントのデバイス一覧からキー確認可。
NVMeとSATAで異なる注意点
NVMe(M.2/PCIe)
- PCIe世代設定(Auto/Gen3/Gen4/Gen5)を固定すると安定する場合あり。
- 省電力(ASPM/L1.2)と相性が出ることがあるため、電源ポリシー側を先に試す。
- 放熱不足で温度スロットリング→一時的に見失うケースも。
SATA
- AHCIドライバー(標準)で安定しやすい。Intel RST/AMD RAIDを使う場合は同一系統で統一し、途中の切替は厳禁。
- ケーブル劣化・ラッチ無しケーブルは要交換。
データを消さずに直したい人向け:やってはいけない
「未割り当て」=即初期化はNG(データが必要ならまず復旧の可否を検討)。
ディスクの「クリーン」/フォーマットを安易に実行しない。
RAID構成を触らない(崩すと復旧難度が跳ね上がります)。
予防策:次回の更新で困らないために
システムイメージ/回復ドライブの作成(外付けに定期バックアップ)。
ドライバーはメーカー公式で統一(Windows任せで混在させない)。
Windows Updateは手動適用+様子見(業務PCは数日遅らせる)。
S.M.A.R.T.監視と空き容量20%以上をキープ(TRIMが効きやすい)。
M.2スロットの仕様表を保存(レーン共有/無効化条件を把握)。
よくある質問(FAQ)
Q. 外付けSSDだけが認識しません。
A. まず別ポート(USB 3.x)/別ケーブル/別PCで確認。USBハブ経由は避け、ドライブ文字割り当ても要チェック。古いケースはUASP非対応で不安定なことがあります。
Q. デバイス マネージャーに「不明なデバイス」が出ています。
A. チップセット/ストレージドライバー不足の可能性。PC/マザーの型番で公式ドライバーを適用してください。
Q. BIOSでは見えるのにWindowsだけ見えません。
A. 多くはドライバー/電源/更新の影響。本記事の「最短3ステップ」→「SFC/DISM」→「更新のアンインストール」の順で。
Q. 「未割り当て」になってしまったがデータを救いたい。
A. 初期化・新規ボリュームはNG。以降の書き込みを避け、専門の復旧サービス検討を。自己流での上書きは復旧率を下げます。
まとめ(チェックリスト)
SSD認識問題のトラブルシューティングチェックリスト
項目 | 手順/確認内容 | 詳細 |
1. 再起動・放電 | 完全シャットダウンと放電 | PCを完全にシャットダウンし、電源ケーブルを抜いてから数分間放置する。これにより、帯電がリセットされ、一時的な不具合が解消されることがある。 |
2. ディスク管理 | 「オンライン」と「ドライブ文字」の確認 | 「ディスクの管理」を開き、SSDが「オフライン」になっていないか、またはドライブ文字が割り当てられているか確認する。必要に応じて「オンライン」に変更したり、ドライブ文字を割り当て直す。 |
3. ドライバ | デバイス マネージャーでの再検出とドライバ更新 | 「デバイス マネージャー」を開き、SSDを右クリックして「ハードウェア変更のスキャン」を実行する。また、SSDのプロパティからドライバを更新したり、メーカー公式サイトから最新版をダウンロードして適用する。 |
4. システム修復 | SFC/DISMコマンドによるシステム修復 | コマンドプロンプトを管理者として実行し、「sfc /scannow」や「DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」コマンドを実行し、システムの破損がないか確認・修復する。 |
5. 更新のアンインストール | 問題の更新プログラムの削除 | 問題がアップデート直後に発生した場合、インストールされた更新プログラムを一時的にアンインストールして問題が解消されるか確認する。 |
6. BIOS/UEFI設定 | 最小限のBIOS/UEFI設定確認 | BIOS/UEFI設定画面に入り、SATAモードが「AHCI」に設定されているか、またM.2スロットとSATAポート間でリソースの共有(レーン共有)がないか確認する。 |
7. 物理的接続 | ケーブル・M.2の固定・温度の点検 | PCケースを開けて、SSDのデータ/電源ケーブルやM.2 SSDが正しく固定されているか、またはケーブルが緩んでいないか確認する。また、SSDが異常に高温になっていないかも確認する。 |
8. SSDユーティリティ | ファームウェア(FW)とS.M.A.R.T.情報の確認 | SSDメーカーが提供するユーティリティソフトを使い、SSDのファームウェアが最新か確認する。また、S.M.A.R.T.情報(自己診断機能)で異常がないかチェックする。 |
KB5063878|SSD不具合解決フローチャート
KB5063878|SSD不具合解決フローチャート
以下の質問に、はい / いいえで進んでください。
大容量書き込みは一時的に控えて様子見してください。
例:大量コピー中にSSDが消える/遅延書き込みエラー/イベントID 129 等
- 書き込み負荷を停止(コピー/ゲーム更新など)
- 重要データを別ドライブへ退避(読み取り優先)
- Windows Update を一時停止
- 完全シャットダウン → 電源OFF
- SATA/M.2 を差し直し、別ポート/別PCで確認
- ケーブル/レーン共有/温度/電源を点検
※ 未割り当ての初期化はデータ不要な空ドライブのみ
- PCIe リンク状態の電源管理:オフ
- 高速スタートアップ:無効
現在、マイクロソフトはこの問題を認識し、パートナー企業と共に調査を行っていると発表しています。
ユーザーは重要なデータをバックアップし、大容量の連続した書き込み作業を避けるなどの予防策を講じることが推奨されます。